リースバックの家賃設定方法と家賃相場を徹底解説!

こんにちは!
住宅ローン問題解決コンサルタントの遠藤です!

リースバックを検討した場合、買取り相場価格や、家賃相場がいくらになるか当然気になると思います。折角、高額な査定額が出たのに、家賃が高いと、住み続けるのが出来ないからです。更には、リースバック会社がどうやって家賃設定をしているのかも気になると思います。そこで、ここでは、リースバックの買取り相場価格や家賃設定方法の仕組みや、査定結果で家賃が高い場合の対処方法等の確認方法をお伝えします。この記事を読んで、しっかりとリスクも確認して、現在の状況も鑑みて、リースバックの家賃設定方法等を理解したうえで、計画的に進めて頂ければと思います。

下記では、リースバックの詳しい解説記事を掲載していますので、参考にしてください。
リースバックについて

1,リースバックの相場価格の関係

1)リースバックの買い取り価格の査定方法

リースバックの買い取り価格は市場相場価格の6~7掛けが一般的です。
何故なら、リースバック会社は、将来借主が退去されて初めて、保有している不動産を再販売する事になるのですが、その際、解体して更地にしたり、リフォームしたりして再販売しますが、当然、自社の利益ものせるので、大体6~7掛けが目安と思ってください。ただ、エリアによっては8掛けぐらい出る事もあります。他にも、定期賃貸借の場合は、普通賃貸借に比べ査定が高くなります。何故なら、定期賃貸借の場合、退出する時期が明確であり、仮に2年の定期賃貸借の場合であれば、2年後には確実にリースバック会社は再販売する際の出口戦略を描けるからです。

2)買取り価格が高い場合のデメリット

➀家賃も比例して高くなる

リースバックの家賃算出方法は、周辺の賃貸相場を基準にしているのではなく、買取り価格に対しての期待利回りで計算されています。

<例>
買取り価格 x 期待利回り ÷ 12ヶ月 = 家賃
1,000万円 x  7%   ÷ 12ヶ月 = 58,000円(100円未満切り捨て)
2,000万円 x  7%   ÷ 12ヶ月 = 116,000円(100円未満切り捨て)

つまり、上記例を見て頂ければ分かると思いますが、買取り価格が上がるにつれ、それに比例して家賃も高くなってしまいます。しかし、別の見方をすれば、同じエリアで、同規模の不動産を借りた際に、周辺家賃相場より安い場合もあります。

➁買戻し価格も高くなる

将来、買い戻す予定がある方は、買戻し価格が高くなってしまいます。これは、買戻し価格が、買取り価格に対して算出されるからです。

<例>
リースバックの売却価格 x 1.15~1.25 = 買戻し価格
A社 1,000万円    x1.15の場合  = 1.150万円
B社 1,200万円   x1.15の場合  = 1,380万円

つまり、将来買い戻しを希望されている場合、買取り価格がB社の方が良いと思っていても、将来買い戻す際は、その分高くなるので、あえてA社を選ぶ方もいます。

下記では、将来買い戻しを希望している場合の詳しい記事を掲載していますので、参考にしてください。
買い戻し希望の場合

3)家賃を安くする方法

➀複数社競わせる

リースバック会社の期待利回りは、各社社内基準があって、エリアや地価公示等鑑みて決めています。しかし、各社を競わせる事によって、当然家賃を下げてくれる場合も多々あります。

<例>
買取り価格 x 期待利回り ÷ 12ヶ月 = 家賃
A社   1,000万円 x  7%   ÷ 12ヶ月 = 58,000円(100円未満切り捨て)
B社   1,000万円 x  6%   ÷ 12ヶ月 = 50,000円(100円未満切り捨て)

当社では、各リースバック会社を競わせる事によって、同じリースバック買取り価格の場合、今度は売主に少しでも負担が減る様に家賃交渉を行います。

➁定期賃貸借にする

一般的に、普通賃貸借契約より、定期賃貸借契約の方が、家賃が下がります。これは、何故かと言えば、普通賃貸借契約は、更新型契約の為、賃借人が住み続けたい限りは、継続して更新出来る為、いつ退去するか分かりませんが、普通賃貸借契約の場合は、期限が定められており、その期間が終われば更新出来ない為、不動産会社としては、確実に再販売が出来る為です。

➂やってはいけない事

良く、ネットで家賃を安くする為に、買取り価格を安くすれば良いとの記事がありますが、個人的にはやってはいけない事と思っています。つまり、あえて自宅の不動産価値を下げているだけで、場合によっては、低廉譲渡といって税務上のリスクも発生する可能性があります。

~低廉譲渡とは~

通常の相場価格よりも著しく低い金額で譲渡すること。不動産売買時には、税金が発生するが、その税金負担を免れるとみなされることがある。

2,リースバックの家賃設定方法と家賃相場を解説

1)家賃設定は売却価格から計算する

リースバックの家賃設定方法は、売買価格に応じて家賃賃料相場が決まります。よって通常の賃貸物件とは、家賃設定方法の基準が異なります。つまり、賃貸市場の周辺の賃料相場に影響されるのではなく、買取価格の利回り計算になる為、その為、一等地のエリアで買取額が高いと、家賃相場も高くなりがちです。何故、利回り計算をするのかと言えば、買主(不動産業者)は、貸している間は自由に転売が出来ず、賃借人が住んでいる間は保有し続けます。その為、保有期間の利回りで採算を取らざるを得るしかないからです。

それでは、リースバックの家賃設定の計算方法を解説していきます。


リースバック価格 x 期待利回り ÷ 12ヶ月 = 家賃
  2千万円   x  6%   ÷ 12ヶ月  = 10万円/月々
  4千万円   x  6%   ÷ 12ヶ月  = 20万円/月々

上記の例を見て頂ければお分かりのように、不動産会社の物件購入価格によって、同じ利回り計算しても、家賃相場が全く変わってきます。その為、リースバックでの査定額が高いと、家賃も高くなってしまいます。その為、上記の家賃設定方法を知っておけば、リースバック会社が何%の利回り計算で算出したかが分かります。

期待利回りは何%になる?

利回りはリースバック会社各社によって異なります。一般的には6~7%で利回り計算が傾向となりますが、エリアによって異なります。
例えば都内の好立地であれば4%の場合もあれば、地方は8%といった様に異なります。買主が個人投資家の場合は、完全に利回り重視になります。

3,家賃相場が安くなる場合

1)家賃設定が安くなる2つのパターン

➀建物の築年数が古い

リースバックは、上述の通り、買取り額に応じて家賃が変動します。その為、建物の築年数が20年以上であれば、建物の価値は、ほぼゼロの為、買取り額も低くなる為、家賃が低くなるメリットがあります。

➁対象エリア(地域)が郊外

対象物件のエリアが、いわゆる一等地でなければ、土地の単価も安くなる為、この場合は買取り額が低くなる為、その分家賃も安く抑えられることになります。

4,家賃相場が高かった場合の対策法

1)家賃相場が高い場合の2つの対策方法

➀賃貸借契約を見直してみる

『普通賃貸借』より『定期賃貸借』の方が、一般的には家賃が安くなります。
つまり、普通賃貸借の場合、利回りが仮に6%の場合、定期賃貸借の場合はそれ以下で算出するリースバック会社もあります。更に、定期賃貸借でも、5年間の定期賃貸借より4年の方が安く、4年より3年の方が安くなっていくので、場合によっては、賃貸借期間を短くする方法もあります。

➁複数のリースバック会社と交渉する

個別にリースバック会社と交渉し、少しでも安くなる様に交渉する事は当然可能です。しかし、一般の方が、全てのリースバック会社と交渉するのは、時間と労力の関係から至難と思われます。更に自身で複数の会社と交渉すると、毎日の様に複数の会社から電話やメールがひっきりなしに掛かってきます。そこで、リースバックを専門としている仲介会社に依頼した方が、結果的に良い条件のリースバック会社を探してくれるはずです。

5,家賃相場を安くする失敗事例の紹介

稀に相談者の中には、家賃を安くしたい為に、買取額を安くして欲しいという相談を受けます。これは低廉譲渡とみなされ、リースバック会社からも了解が得られません。あるネット記事に、リースバックの買取り額を安くする方法として載せている記事がありますが、何も知らないコピーライターが記載していると思われますのでご注意ください。

~低廉譲渡とは?~

市場の相場価格よりも、大幅に安い金額で売却することです。この事を低廉譲渡と言いますが、みなし譲渡所得課税が適用される可能性があり、後に課税をされてしまいます。一般論で言えば、相場の50%以下の金額で売却すると低廉譲渡とみなされる可能性が高いと思われます。その為、相場よりも大幅に低い価格でリースバックを行う場合は、事前に税理士に相談するのが良いと思われます。

<失敗例>
市場相場価格 3,000万円

リースバック価格 x 利回り6% ÷ 12ヶ月 = 家賃
  2,100万円   x  6%   ÷ 12 = 10.5万円/月

⇒家賃が払っていくのが厳しいので

リースバック価格 x 利回り6% ÷ 12ヶ月 = 家賃
  1,500万円   x  6%   ÷ 12 = 7.5万円/月

上記失敗例は、元々市場相場価格が3,000万円に対し、実質半額の価格で売却されている為、低廉譲渡とみなされる恐れ有り。

6,一般の賃貸借契約との違い

1)5つの違いを確認

➀周辺家賃相場よりも安い場合もある

リースバックの場合、エリア(地域)によっては、周辺賃貸相場よりも安い場合があります。例えば、人気エリアで駅から近い戸建ての場合、リースバックで家賃が15万円として、同条件で家賃相場が20万円の場合も有り得ます。戸建ての賃貸需要のニーズがあるのに、貸してくれる借家数が圧倒的に少ない為です。その為、不動産会社から、リースバックの査定をもらう際は、周辺エリアの家賃相場も教えてもらって判断するのが良いと思われます。

➁敷金・礼金は不要

一般の賃貸時に掛かる敷金・礼金といった手数料は発生しません。その他、更新時の更新手数料も一般的には発生しません。ここが通常の賃貸借契約の取引と比べて、リースバックの賃貸借契約の違いになります。

➂税金等の支払いの有無

自宅を売却して所有権が移りますので、今後固定資産税の支払いは不要になります。又、マンションの場合は、管理費・積み立て修繕金も不要になります。よって、これらも今迄掛かっていた費用がなくなるので、マンションの場合はかなり負担が減ると思います。

➃連帯保証人は不要

リースバックの場合、連帯保証人は不要で、保証会社に代わりに保証人になってもらいます。その為、保証会社の賃貸審査はありますが、反社会的な方でなければ、過去住宅ローン滞納歴があっても、賃貸審査は通るケースが殆どです。

下記では、賃貸時の審査について詳しい解説記事を掲載していますので、参考にしてください。
賃貸審査について

➄修繕費は借主負担

通常の賃貸は、例えば給湯器が壊れた、エアコンが壊れた等の場合、大家さん(貸主)が修繕しますが、リースバックの場合は、借主が修繕費を負担することになります。これは当然と言えば当然で、既に所有者が今まで使用していた家を賃貸契約を結ぶのであって、それがいきなり賃貸契約になったからといって、貸主(リースバック会社)が、壊れた度に修繕費を捻出していたら、幾らあっても足りません。よって、ここが通常の賃貸契約との大きな違いと言えます。

7,買取り相場や家賃設定方法と家賃相場のまとめ

1)複数の会社から査定を取る

上述した様に、会社によって、家賃設定をする際の利回り計算は各社異なります。そこで、複数の事業者から査定を取得して、比較する事をお勧めします。その際、リースバック専門会社に依頼する事をお勧めします。自身で複数社から取り寄せるのが面倒であったり、交渉するのが自信がない場合は、リースバックに特化した経験と実績ある専門の仲介会社に依頼するのも一つです。当社は、リースバック会社出身者で構成されていますので、各社に強気な家賃交渉が可能です。手続き含めて全て当社にお任せください。

2)今迄の住宅ローンと比べてみる

リースバックの家賃が分かったら、今迄の住宅ローンの月々の支払額と比較してください。場合によっては、家賃の方が安い場合もあります。その場合は、リースバックを利用する価値はあるかと思います。

以上の事から、リースバックは買取額だけで判断するのではなく、今後の毎月の収入額と負担額を注意点として総合的に判断して頂きたいのです。

下記では、家賃が払えない場合の解説記事を掲載していますので、参考にしてください。
家賃払えなくなる前に

以上最後まで読んで頂き有難う御座いました。
我が家のリースバックの家賃はどれくらいになるのだろう?と思われた方、無料で査定を行いますので、先ずはお気軽にご相談ください。

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